真壁昭夫『最強のファイナンス理論 』講談社現代新書

株式投資に必勝法はあるか?に立ち返ってみる

$ゆっきーのエッセイブログ

 前回確認したように、著者がこうあらねば合理的経済人と言えないというのはゴルゴレベルのことでした。ゴルゴレベルの人で構成されるトレーディングの世界では、効率的市場仮説が正しいので、市場では完全な裁定が働いて、うまい儲け話はなくなる。

 著者はこう言います。

「効率的市場仮説が正しければ、市場では完全な裁定が働く。うまい儲け話はないのである。ノーフリーランチ・ルールだ。逆説的に言うならば、もし投資必勝法があれば、効率的市場仮説は正しくないと判断できる。必ず儲けられる方法があるということは、市場のどこかに非効率な部分が残っていることを意味する。」

                           『最強のファイナンス理論』P44

 でも、現実世界はゴルゴで構成されていない。

 単純な話、まったく同じ情報だって人によって受け取り方が違う。


 例えばズバリこんな話・・・

投資するかどうかを決めるときにこんな情報があったとします。


A社の前期の業績が発表された。売上高は順調に伸びている。しかし、利益率は二十%低下した」


B社の前期の業績が発表された。利益率が二十%低下したものの、売上高は上昇した」

この時あなたはどっちを選ぶかというと

ズバリ!

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A社でしょう!


合理的に考えたらA社もB社も業績として変わらない。だから、この情報でどっちかがどっちかより良い!とする推移的な順序づけは本来(ゴルゴばかりのトレーダーなら)生じない。

 まあ丸尾くんはA社を選びましたけど、B社の人もいるわけで(例えば、成長期のベンチャー企業の場合は成熟した大企業に比べて利益率よりも売上高が伸びているかどうかを重視するかもしれないから)。

 重要なのはどっちにしろ、ゴルゴだったらどっちも選好材料としないのに、人間の癖で市場が動く可能性がおおいにあるわけです。

 もし、この合理的とは無縁の”癖”というものを自分だけが見ぬくことがでるのなら!

 それは、ゴルゴ経済社会の否定=効率的市場仮説が成立しない社会=株式投資に必勝法はある社会!ということになります。


ということで、次回以降、こういう人間臭い例を笑いながら色々検討してみましょう(=⌒▽⌒=)

効率的市場仮説が正しいのかどうかという知的好奇心も探求できるし、株投資必勝法が見つかるかも〜

$ゆっきーのエッセイブログホントですか・・・