小林吉弥『高橋是清と田中角栄―日本を救った巨人の知恵 』知恵の森文庫


 三島由紀夫論で自分の世界に突っ走り過ぎたので(爆)、本来の私家版昭和日本経済史に戻ります〜。
 三島由紀夫が自決して数年で、田中角栄首相が誕生します。

 この本は、人物として田中角栄高橋是清がとても良く似てると指摘しています。そういえば、今太閤 (田中角栄) と だるま宰相高橋是清)という愛称も、日本人がこの二人に共通点を見出している視線を感じますよね。

 加えて、もうすこしまじめに見てみても・・・

「昭和初期の金融恐慌で高橋が、また、昭和四十年に山一證券倒産問題が浮上化、証券恐慌からやはり金融恐慌が危惧されたさなかに田中が、ともに大蔵大臣として水際立った指導力を発揮、これを脱出、回避させたという共通点もある。」
小林吉弥『高橋是清田中角栄―日本を救った巨人の知恵 』 文庫版まえがき


目次はこんな感じ・・・

1章 凄い奴―「苦労」だけの青春時代
2章 放蕩三昧に「美学」あり―“政治をやれば、総理となる男”
3章 「実学」を生かす―高橋是清田中角栄の無名時代
4章 「雌伏の時代」に何をしたか―どんな苦境でも“七分の力で一二〇%の力を出せ”
5章 ポスト・肩書に執着するなかれ―知事のイスも蹴った恬淡さ
6章 「来るを捉える」人生とは―“苦しいとき、逃げ出す奴はダメだ”
7章 「昭和金融恐慌」と「平成デフレ」―二人は、どうリーダーシップを大胆、果敢に発揮したか
8章 「高橋蔵相」「田中蔵相」にみる発想の大転換―“財源はいくらでもつくれる”秘策とは
9章 「人事の要諦」とは何か―絶妙の「チェック・アンド・バランス」
10章 「公的利益」まずありきの精神―何事にも「全力投球」で臨んだ
11章 「危機管理」決断と実行のノウハウ―「景気」特効薬 どう投与したか

 どれも面白そうなのですが、いちおー(笑)昭和経済史というテーマなので・・・

7章 「昭和金融恐慌」と「平成デフレ」
      二人は、どうリーダーシップを大胆、果敢に発揮したか


を中心に読んでみようかなと思います!

つづく