本山美彦『金融権力』岩波新書

$ゆっきーのエッセイブログ

さらに金融権力を考える


 もうすこし金融権力について考えてみたくなしましたので、この本を読み始めました。

 著者は、金融権力、特に最近の米国の金融帝国主義的な経済活動を非常に批判的に見ている論客です。

 その意味では、このシリーズの『経済危機のルーツ』の著者である野口悠紀雄さんと対照的な立場にいる人なので、そういう意味でも色々論点がはっきりするかも。


 まずは著者の「金融」という言葉の定義を見てみましょう。

「本来「金融」という言葉は「金を融通する」という意味がある。そして「融通」とは「溶かして通りをよくする」ということである。偏在しているカネを溶かして、カネに不足しているモノの生産者たちに、金が流れていくような状態を作り出すことが金融であるその意味で、カネとは「カレンシー」(流れ)であり、流動性」(リクイディティ=水)である。つまり、この言葉から、カネは社会的に必要なものを作り出すために使用されるべきであるという含意を読み取ることができる」

              本山美彦『金融権力』岩波新書プロローグP2



金は天下の回り物というのはこのことに近いでしょうか。しかし・・・どうもお金持ちはお金を(多分過剰に)持っていて、それがたくさん出回っているとはなかなか思いにくいのが実感ですが・・・


「しかし、金融複合体は金融を、社会的に必要なものを作り出す「しもべ」ではなく、金儲けをするための最高の「切り札」に位置づけてしまった。その結果、自由化の名の下に、人々の金銭的欲望を開放してしまう金融システムが作りだされてしまった。カネがカネを生むシステムがそれである。そうした金融システムが、現在、「金融権力」として猛威を振るっている」 同書同ページ



 ただ単に我利我利亡者を感情的に批判する論調は多いですが、この著者のように正面から金融システムそのものを理論的に批判している本は少ないのではないかなと思いました。


 面白そうなところを抜粋してみようかなと思います。


 つづく(^^)

広告を非表示にする