野口悠紀雄『経済危機のルーツ ―モノづくりはグーグルとウォール街に負けたのか』東洋経済
勝手にVSにするゆっきー(笑)
では、本山美彦さんの本も読み進めたいのだけど、少し前まで読んでいたこの本といっその事ディベートさせてみようかなと思いました。
野口悠紀雄さんは筋金入りの金融立国肯定論者なのでその方がわかりやすいかも。
引用してみます。
「「金融立国モデルは破綻した」という人が多い。実際、様々な経済指標は、典型的な金融中進国であるイギリスが07年夏以降に大きな変化に直面したことを示した。16年間続いた景気上昇は終わった。住宅価格は大きく下落した。08年10月には、国内主要8銀行に対する500億ポンド(約9兆円)の公的資金の注入が発表された。ジャーナリズムでも、「金融立国で繁栄したイギリスは終わった」という論調が支配的になった。」
野口悠紀雄『経済危機のルーツ ―モノづくりはグーグルとウォール街に負けたのか』東洋経済 P292
・・・と、まずは歴史的事実の確認です。しかし続きます。
「いまひとつ注意すべきは、製造業立国モデルも破綻していることだ。金融危機を起こしたのが金融立国モデル側にあったことは間違いないが、影響はそこにとどまらず、製造業中心国に及んだのだ。どちらの受けた影響が、より深刻だっただろうか。経済成長率の落ち込みで見る限り、影響が深刻だったのは、むしろ、製造業立国の側である」
同書P293
このあとIMFの資料などでそのことが検証されるのですが、この流れを極端に推し進めると、金融立国を標榜した国のせいで、地道に額に汗して働く製造業立国の国が割を食ったという、「それみたことか」みたいな議論になりそうです。
じゃあ、中国などの安価な労働力を敵に回してあくまでもモノづくり立国モデルで心中するのか???
野口悠紀雄先生も本山美彦先生も、立場は正反対ですが、もちろんそうやって単純な結論を導こうとはしてません。仔細に色々論じておられます。
そこで両書を比較してみようというわけです。
両方破綻したなら今後日本の取るべき道は?!
どっちがいいのでしょう???
さてと、徐々に論点が浮かび上がって来ました(^^)。
という感じで、勝手にVSシリーズ続きます〜。