本山美彦『金融権力』岩波新書

ゆっきーのエッセイブログ

私の格付けってどのくらいだろ(ーー)

 金融立国か製造立国かを仮にVSさせてみたのですが、皆さんのご意見はどっちかに偏ることは問題であるということでした。

 考えてみれば両方必要なわけなので、VSにしたくなるほど対立が透けてみるという状態自体がおかしいのかもしれません。

 しかし!

 やっぱり金融というのは単なる便利な手段以上の権力性を帯びていると思います。

 その一つが本日の主題!

 

ズバリ!
 $ゆっきーのエッセイブログ
格付けって何なのでしょう???

「多くの場合、起債者(債権を発行して資金を調達する企業、国もかな←ゆっきー注釈)は格付けを受ける際に、格付け会社に対して手数料を払う。高い格付けを受けた債権には高い価格がつき、低い格付けの債券の価格は低い。つまり、記載した債権にトリプルAを得た企業は、ダブルB(BB)しか得られない企業よりも、資金調達コストが小さくてすむ。(中略)銀行借入ではなくて、資本市場から資金調達をしている企業が、格付けを大きくさげられてしまうと、とたんに債権が売れなくなり、資金調達ができなくなって倒産してしまうケースが結構多い。一九九七年に破綻した山一證券などがそうであった」            
本山美彦『金融権力』岩波新書P4


お前より俺のほうが人間としての格が上だとか、国家の品格だとかそういうのとは一切関係なく、あくまでも債権を発行した時にそれが返済できる見込みがどれくらいかをそういう専門の会社が主観的に判断して、それを参考にしようじゃないか、というのがここでいう格付けなので、それ自体は必要で便利なものかもしれないですよね・・・。

 星のマークでランクづけされている★★★レストランのガイドブックと似てなくもない。


 しかし、日本の企業風土に格付は合わないというのが本山氏の意見なのです。アメリカ的な金融権力が日本の老舗企業の経営形態を変えて行ってしまうことに対する危惧が述べられていてとても興味深いです。



 これを次回見てみたいと思います!