勉強•読書のハウツー本1 脳の本は読んだ後のアウトプットが重要?

 それでは『本当に使える勉強法』にどんな感じで勉強本が紹介されているか見てみましょう。

第一回目は茂木さんの本でーす。


脳を活かす勉強法 (PHP文庫)/PHP研究所
 勉強を始めても三日坊主で終わってしまう、集中できない、記憶が苦手だ、などと悩む人も多い。
しかし、それらは脳の特性をうまく活かさず勉強しているからである。

 脳の「喜びの回路」が一度回れば、あとは雪ダルマ式に勉強の成果が上がるのである。


◎脳は何かを達成するたびにどんどん強くなる
◎「タイムプレッシャー」が脳の持続力を鍛える
◎「瞬間集中法」で勉強を習慣化させる
◎集中力を養う「『鶴の恩返し』勉強法」
◎「モダリティ」を駆使して効率的に記憶する
◎あなたも「強化学習」の回路を暴走させて、能力を開花させることができる



 さてでは、この本はどう評価されているでしょうか、見てみましょう。

「この本の軸は、人間の脳は報酬物質のドーパミンが出ると快感を感じる、ということです。勉強でドーパミンを出していこうというだけを書いて、一冊に膨らませた本です。」『本当に使える勉強法』

 と『本当に使える勉強法』ではこの茂木本にやや懐疑的です。

 ニンテンドーDS脳トレブームもあり、また養老孟司さんの『バカの壁』が200万部以上売れたりなど、脳に注目することは一頃大流行りでした。

 その後、本当に脳トレ効果なんてあるの?という反動や、脳トレブームに苦言を呈する専門家も現れたり、任天堂がそれに応答するなどということもありました。


$『音の風景』 ANNEX 任天堂広報室は「脳トレの効果については、学術界で活発に議論いただきたい。ただ、娯楽商品は害がなくて楽しいことが最重要。実際に幅広い年代が楽しんでくれている事実は、議論の行方とはまた別」という。
『脳ブームに「待った」 学会「根拠示す配慮を」』






 この『本当に使える勉強法』はこうした脳ブームが去ったあとの視点で、勉強と脳の関係について冷静に距離を置いて観ています。

 しかし評価しているところもあります。

「ただ、茂木氏が挙げている第一の原則【喜びや達成感を得る】は、勉強を楽しくするための大きな柱とは言えます。」『本当に使える勉強法』

 具体的には…

1今日はこれだけできたと記録しておく
2人にしゃべって強化しておく

 は効果があるのでやるべきだと推奨しています。

 ここで言う【記録】【他人にしゃべる】、両方とも言ってみれば<脳みその外に出す>=アウトプットだと言えそうです





 ということで、以上をまとめますと…

 

ズバリ!『音の風景』 ANNEX



$『音の風景』 ANNEX

知識が増えても、

行動に影響がなければ、

それは現実にはならない



by 養老孟司




 という、常識的なところに落ち着くのかもしれません。

 この『脳を活かす勉強法』を読んで「喜びの回路」の大切さを実感した後、また別の本でその具体的なアウトプット方法を模索するという道筋が見えて来そうです。

 ハウツー本読書の特徴は、こうやって次々と読み終わった後新しいハウツー本に手を出したくなることかもしれません。行動に影響してるんでしょうか(笑)。そーゆー意味じゃないよ!
と養老先生にしかられるかも?(ノ∀`)

 お金はかかりますが、それもまたオモシロイと言えましょう(o^—^)ノ




【追記】
 私は今回の茂木さんのこの本はたまたま読んでますが、紹介された本のいわゆるウラはとらない方針です。もちろん、読んでいるかのような臆断で書くことは注意深く避けるようにします。

 取り上げられている本については『本当に使える勉強法』を読んで得た間接的な印象にあえて特化し、そこから連想したことを自由に書きます。いわば勉強本の勉強本=メタ勉強本自体をもう一回読む(メタメタ読書)ということです。Amazonのレビューではそこをごちゃごちゃにして書いてる人もいますが、そういうのはしません。

 『本当に使える勉強法』を読んでみる限り、読みたくなる本だなあとか、やめておこうと思っちゃうな〜とかですね。

 原典の評価ではなく、また、『本当に使える勉強法』の主張の妥当性の検証でもなく、いわば『本当に使える勉強法』を戦略的にワザと鵜呑みにするので、誤解なきようお願いいたします。そういうわけでこのシリーズのコメント欄では妥当性論争は原理的におき得ませんので、そうした中身についての突っ込んだ論争を呼びそうなコメント(感想の域を越えてると私が印象を持つコメント)をつけてくださった場合は、残念ですが今回スルーさせていただきますのでご了承くださいませ。
ღゝ◡╹)ノ♡