【ライフハック本の特徴】2シリコンバレー精神親和性その6 ウェブの記憶力?

ザ・サーチ グーグルが世界を変えた/日経BP社
ウェプには記憶力がない。バブル絶頂期の1999年にさかのぼって、ザ・スタンド・ドットコムを読みたいと思っても、グーグルのインデックスでも見つけることはできない。最初の「ジエリ!とデビッドのWWWガイド」が見たくても、ヤング(グーグル創業者の一人:ゆっきー注)ですらコピーを保存していない。

 しかしそれほど遠くない将来に、たぶんわたしたちが生きている聞に、歴史的データがウエブに蓄積されるようになり、必要に応じて検索できるようになるだろう。
 その歴史的データは、ウエブの時間軸、リアルタイムのインターネットアーカイブを創設して、そこには毎日、毎年のウェブのコピーが永遠に保存されることになる。

 換言すれば、デジタル化されたわたしたちの文化の記憶が、ウェプやグーグルのような検索エンジンを通して、つねにそこに存在し接続され入手可能になる。

 機械化に反対した一九世紀イギリスのラツダイト運動のように暴動が再燃したり、全面核戦争が起きないようにするためには、未来にわたってこの記憶の連鎖が、断ち切られないようにしなければならない。

 将来この時代を考察した歴史家は、これを重大な転機とみなすだろう。21世紀のある一定の時点で、ウエブは自分自身の記憶を持ち、それは決して失われることはないだろう。この事業はたぶん、ヤフーやグーグルやアマゾンのような企業が、目玉商品として展開するだろう。

 いずれにしてもそれはまもなく実現し、その影響は測りしれない。
ウエブに時間軸があるなら、日時を限定して検索をするだろう。その時のクエリーは「この時点からのわたしのクエリーに、全部答えて」となるだろう。

「2004年5月3日時点で、ジョージ・W・ブッシュについて一番人気のある検索結果はなにか」「2006年一年間の、わたしの曾祖父に関する情報をもれなく」あなたの曾孫はきっとこんなクエリーをするだろう。そしてデータ保管コストの激減、コンピュータの性能向上によって、また課金型検索のビジネスモデルとして、このような日が来るのはそれほど遠くない。

ウェブは誕生からまだ10歳になったばかりだが、100歳になった時にははたしてどのような状況にあるだろうか。検索すべきデータは莫大になり、技術的にも次々に新機軸が打ち出されるだろう。

完全なる検索が実現した時には、わたしたちは世界の知識にアクセスできなければならない。

ザ・サーチ』より引用





 わあい\(^▽^\)(/^▽^)/わあいっ

 …とまあ、この本は予言するわけですが、このすべてを記憶するウェブという発想は、いわば人類の記憶そのものをネットワークに連続した集積体として誰もが参照できるようにするという、全人類の脳みそが連結された状態を目指すことでしょう。
 つまりウェブにとどまることなく、博物館や美術館、図書館や外交文書や法令などありとあらゆる公文書、テレビ放送や映画のコンテンツやクラシック、ポピュラー音楽データ、個人のライフログ…と拡大する。

 時空間を超えたデータがクエリー一つで取り出せるようになった時、人類は記憶の呪縛から完全に解き放たれ、それを継承し、操作するだけの動物的ポストモダンな人生(動物生?)を生きるのか?



 何も判断せず、何も理性的な振る舞いを問われず、ただデータとだけたわむれる。それは知的に見えて実はとっても動物的なのかも?





 逆説的ですが、完全なる記憶と完全なる検索というのは、解釈学・系譜学・考古学すら無縁のものとなるのかも・・・。完全なる時の支配は完全なる時間の消滅なのかも?そこには思い出もなく、未来もない。データと戯れることが現在でありそのまま永遠であるような?個人はデータを媒介として世界と直結するセカイ系の完成のような?






 次回この記録と記憶を巡る話題を別の本にジャンプしてさらに追求することとします!

つづく(  ̄ー ̄ )ゞ