【ライフハック本の特徴】2シリコンバレー精神親和性その7 記録と記憶

記憶のゆくたて―デジタル・アーカイヴの文化経済/東京大学出版会
日々刻々と膨大な情報が生産されていく今日のデジタルメディア環境。そうした種々のデジタル情報を記録しようとする試みが、いま世界各国ですすめられている。本書は、その機能や成り立ちを概観しながら、それが社会的、文化的にどのような地層にあるかを考察、今後の展望を示す。
東京大学出版会Webページより



まえがき―森と砂
第1章 記憶の外在―デジタル・アーカイヴとは何か
第2章 記録というスペクタル
第3章 占有と共有―ムンダネウムをめぐって
第4章 文化記憶の社会資本
第5章 電網の中の文化経済
第6章 離散するアーカイヴ―京都ブランドと文化経済
第7章 米国の文化情報基盤―情報スーパーハイウェイにおける人文科学と芸術
第8章 インターネット・アーカイヴの挑戦―デジタル情報の記録と記憶
第9章 記憶のゆくたて
第10章 記憶の編纂と反転
終章 結紮のデザイン



 目次を見るだけで私なぞはワクワクしてきてしまいます(=⌒▽⌒=)ドキドキ

 この本のテーマは「記憶」と「記録」のダイナミックな相互作用についてです。

 著者の記憶と記録に関する現状認識は例えば下記です。記録と記憶のダイナミクスが大きなうねりとなって新しい時代を作っていくというまさにその真っ只中に我々は生きている。


「デジタルアーカイブの出現によって、芸術作品をはじめとした過去の記録がグローバルに偏在する記憶の扉がいま、出現しようとしている。しかし、外在化された記録そのものは意思を持たない。各個人がデジタル•アーカイブに堆積した記憶にアクセスし、ストックとフローをくり返す過程の中で、記録から派生した記憶は未来へと紡がれていく」
『記憶のゆくたて』p13



 そしてこれに続く文章でITによって加速されるこのダイナミクスは個人的な記録と記憶の領域にとどまらず、「記憶の産業化」「記憶機関」を生み出していると指摘します。

 なんとまあ、刺激的な書き出し!




「記憶の産業化」「記憶機関」とは一体なんなのか!?魅惑的でSFチックなこの言葉の中身を次回みて見ることにしましょう。

つづく(〃⌒▽⌒)ゞ