3クラウド、ライフログ親和性 その5集合知問題にゆっきーが終止符を打つ!(上)

 集合知をめぐる議論というのはいつも堂々巡りの様相を呈しているように見えます。

 みんなで意見を持ち寄ると質の高いアウトプットが出てくるという意見の人と、いや、みんなテキトーな無責任なことばっかりいうからどんどんアウトプットの質が落ちるという人の意見に二分できます。そして議論の仕方はお決まりの衆愚政治問題の変形ばっかり




 そこで今回このゆっきーブログではこの問題に終止符を打つことにしました(笑)。

 アウトラインとしてはこの(上)で、集合知の肯定的事例と、注意点について概観し、次回(下)でニーチェの教えから集合知問題を最終解決(笑)するという運びにします。

 そしてその解決の鍵は【内部発ライフログ】のライフハックです。




 というわけで、まず集合知がうまくいってそうな例をクラウド本から引用します。

クラウドHACKS! ―同期と共有でラクチン・ノマドワークスタイル/東洋経済新報社
■クラウドによる集合知がすごい
クラウドはさらにスキルと知識を増やすインフラとしても活用できます。
たとえばWikipediaは、膨大な知識へのアクセスを可能にしてくれました。
有志により最新情報へとへと常に更新され続けるこの知識データベースは、デー夕、だけでなく僕たちの知識ベースまでも同期・更新してくれます。
クラウドにより、多くの人の知識を集めた「集合知」を活用できるようになったのです。
料理を知らなくても大丈夫。
クックパッドを見れば、今すぐ何万種類もの料理が作れる料理長になれます。
人生の選択に悩んだら、発言小町に相談してみよう。
人生の先達の的確なアドバイスにしびれることでしょう。
Wikipediaアクセスすれば、そこはめくるめく膨大な知識の宝庫です。
もはや、知識を暗記する必要はありません。
これからは、集合知から必要な情報を検索するための知識、つまり「メタ知識」を持っておくことが大切です。
知識の見出し(インデックス)といってもいいでしょう。
(以上引用)




 ふむふむなるほー(^○^)。

 ゆっきーもWikipediaクックパッドよく利用してます!発言小町も時々Google検索経由でオーケーウェイブなんかと一緒に見るかな。すごく便利!集合知ばんざーい!かも…?


 さて、では集合知(礼賛)の注意点ですが、よくあるのは民主主義の失敗みたいなのですが、もういい加減そういうのは飽きた感が皆さんあると思います。

 個人的にはこの小山さんの文章ほど見事なものを見たことがありません。

 まず概観です。




クラウド情報収集ハックでは、クラウドに集まる情報を集合知として活用していく方法を見ていきました。
これは非常に強力で、あらゆる問題が解決できるかのような錯覚を覚えます。
もしほんとうにそうであれば、難しい問題は自分で考えず、すべからくクラウドにアドバイスを求めるべきである、ということになるでしょう。
しかし、こうした集合知にも限界はあります。
たとえば情報収集ハックでもご紹介した発言小町では、たしかに多くの人がコメントを残しますが、その多くが、個人の感想をバラバラに述べたものであり、厳密な意味で「知性」として働いているか、疑問です。
クラウドに投げかければ、たくさんの意見が出てくるでしょう。
しかし、その意見はまとまりを欠きます。
集合知を活用するためには、バラバラな意見を統合する必要があります。
そしてこの統合能力は結局、個人の力に負うところが大きいのです。

『クラウドHACKS!』より



 次に核心部分です。


僕は「ひとりの天才がいれば世界が変わる」というほどには、個人の天才的才能に肩入れはしませんが、しかし「みんなで考えれば、ひとりの天才を超えられる」と思うほど、能天気でもありません。
実際、アマチュア棋士が何十人と束になっても羽生善治には勝てないでしょうし、普通の学生を何千人集めてノーベル賞レベルの研究をしろといっても無理です。
小津安二郎の映画が、映画ファンの知恵を集めて作られることもありませんし、Wikipediaのような方法で村上春樹の小説が紡がれることもありません
『クラウドHACKS!』より


 羽生さんに勝てないしノーベル賞取れないし第二の小津も出ないし村上春樹のレベルの小説は書けない!私はこの分かりやすい文章にしびれました。


「当たり前じゃねーか!」


 というつっこみがすぐに出るはずですが、このことの意味、私が感動した根拠をニーチェの「価値論」から次回考えてみたいと思います。




 つづく(o^—^)ノ