ウェブ2.0親和性 3切り捨てざるを得ない現実?
「パレートの法則」はなかなか面白いのですが、前回の記事でコメントをいただいたように、現実問題としてはなかなかシビアなものがあると思います。
優良顧客を選別してそこにヒト• モノ• カネの経営資源を投入するのは当たり前なわけですが、一方でそれは利益を生まないお客様を切り捨てるという側面もあると思います。
80対20の法則を覆す ロングテールの法則/東洋経済新報社
優良顧客を優遇し、リピーター化する戦略は確かに正しいだろう。
しかし、企業はその代償として、80%の普通の顧客を切り捨てている、いや、切り捨てざるを得ないのである。
「顧客を切り捨てざるを得ない」ということについて、もう少し深く考えてみよう。
経営者の誰もが、「顧客を切り捨てたいわけではない」と思っているだろうから。
そもそもなぜ「切り捨てざるを得ない」のか? それはコミュニケーションにはコストがかかるからである。
ビジネスとは見方を変えれば、人間同士のコミュニケーションの集合体と言えるかもしている。
仮に10分間の接客をしたのならば、10分間分のコストが発生する。
商品やサービスを販売すること、その商品を届けて顧客からお金をもらうこと、サービスを実際に顧客に提供すること、すべてがコミュニケーションの塊だ。
ビジネスとしてコミュニケーションが行われている以上、そこには必ずコストが発生し、その社員はその問、他に作業をするわけにはいかないのだから。
そして商品が売れたなら、その商品を梱包し、届けるために社内でのコミュニケーションが発生する。
そもそも売るための商品をつくることからして、いくつものコミュニケーションの積み重ねだ。
顧客は商品に対してお金を払っていると思っているかもしれない。
しかし実際には、その背後の膨大なコミュニケーションに対して、お金を払っているのである。
『ロングテールの法則』東洋経済新報社
営業社員全員を完全フルコミッションにして、売れた分だけ報酬を払うというなら別ですが、見込み客発掘から最終クロージングにまで至らなかった失注部分の営業コストは受注した商談から発生する利益でまかなわなければならない。
これが現実なので、見込みの薄いお客、または既存顧客であっても会社の利益向上からいうと良いお客じゃない顧客は切り捨てないといけないという発想も、もっともだとも思えます。
だから「パレートの法則」は商談などの対外的ビジネスシーンにおいては優良顧客選別、不良顧客切り捨てという絞り込み戦略になるのかもしれません。
うーむ…(u_u)
しかしここで登場するのが、パレートの法則の逆活用としての「ロングテール戦略」です。
絞り込まないマーケティングとは、これまでの優良顧客選別と真逆の戦略です。
しかしコミュニケーションコストの増大で現実的じゃないという最初の分析はどうなっちゃうのでしょうか?
それとも「ロングテール戦略」とはコミュニケーションコストがかからないのでしょうか?
そんなうまい方法があるのでしょうか?( ̄▽ ̄)
あるのならば、切り捨てが良いとか悪いとかいう次元の問題ではなく、新規開拓の有力戦略として検討せねばなりません!
というわけで、次回はそこを検討したいと思います。
つづく*\(^o^)/*