6心理学と脳科学に根拠を求める 2アフォーダンスと「超」整理法

 では今回はアフォーダンスライフハックへの応用例です!

ちょー有名な(^-^)「超」整理法でみてみましょう。





ライフハックス鮮やかな仕事術―やる気と時間を生み出すアイディア (MYCOM新書)/毎日コミュニケーションズ
 ここで、改めて説明するまでもないほど有名な「超」整理法についてアフォーダンスという概念から再考してみたい。
 まずアフォーダンス理論によれば、優れた整理法は、整理しようという気持ちを誘発するようなものでなければならない。この点で、「超」整理法は非常に優れている。バラバラになりがちな料金の請求書、会社から配布される資料集、旅行のパンフレット、引っ越し先の住所メモ、携帯電話などの解約の控え、新しいクレジットカードの申込書など、多様すぎてうまくカテゴリ分けしようもない「紙資料」を一括して本棚に並べておくだけでよいのだ。一度始めると紙が見る見る片付いていくので、最後までやらずにはいられなくなるほどだ。

ライフハックス鮮やかな仕事術―やる気と時間を生み出すアイディア』






 このシリーズの最初にデビットアレンのGTDを紹介しましたが、こうしてみると、「超」整理法はアフォーダンス理論によってGTDをタスク指向で視覚化、デザイン化したものだといえるかもしれないです。

ストレスフリーの仕事術―仕事と人生をコントロールする52の法則/二見書房
「昔の仕事はシンプルだった。その仕事が終わっているのか、終わっていないならどれくらい片付いたのか、だれが見てもすぐにわかった。そこに100本のネジが積まれていれば仕事は終わっているし、99本だったら終わっていないのである。
 しかし今はどうだろう。仕事はどんどん複雑化している。何が終わって、何が終わっていないのか、ますますはっきりしなくなっている。終わったと思ったものが上司の一言で終わっていないことになったり、別の上司の一言で進捗度が80%だったものが一瞬で20%になることもある」(同解説)

【ライフハック本の特徴】1 GTDと大ベストセラー『7つの習慣』の違い|マーケティングの考古学 http://amba.to/OPrss8

 根本的な方針は「超」整理法もGTDも現状の整理なわけですが、「超」整理法の場合には、それを封筒にいれて本棚に格納し、左から順番に片付けるというような身体的レベルにまで落とし込んでる。




 トヨタのかんばん方式を語る学者の書籍は多いですが、トヨタ自動車工場ではじっさいに移動する時の歩数などを測って部署ごとにすぐにトヨタ式生産管理を実践すると聞いたことがあります。理論が現場に染み渡っていて即実践レベルにあるということかな。

 もちろん個人個人のライフハックにおいてこの歩数は違うわけなので、自分なりの応用が必要にはなるでしょう。例えば私は野口氏の提唱する茶封筒は中身が見えなくて使いづらいのでクリアファイルに入れて、本棚にタスクを格納しています。



 こうした応用をする場合に、アフォーダンスによるタスクの視覚化、デザイン化、身体化というやり方は非常に参考になるなと思いました。

 概念で整理するだけじゃなくて、資料などの物体としてどう優先順位がつけられるか。概念を定義して処理させるのはロボットにはできても、これは確かに人間様にしかできないような気がする。野口さんのいう、封筒に入れて本棚に並べて処理するって、アナログに見えて実は最先端の心理学と脳科学の根拠があったんですね!






以上です!

 さて今回、第一回の記事も参照できましたので、思わぬ長大になったこのゆっきーのライフハックスリーズ(三ヶ月54記事になってたよー)もそろそろおしまいにしたいと思います。

 今後ともミシェル•フーコーの方法を範とする(したい)マーケティングの考古学をよろしくお願い申し上げます。