小幡績『ネット株の心理学』MYCOM新書

何かおかしい?いやおかしくない?
    そっか!!!
  株は保有するためじゃなくてすぐ売るために買うんだ!!

$ゆっきーのエッセイブログ

 さて、分割バブルの説明でなんとなく仕組みはわかったようなカンジがするのですが、なんかしっくりきません・・・。

 そうです。

 買いたいのに買えない。これでいちおう説明は完結しているのですが、なんか我々がものを買うときの実感とずれている気がする。

 小幡氏の記述を追ってみましょう。

「需給が逼迫することによる株価高騰いう説明は説得力があるように聞こえます。
 しかしよく考えてみると、これもちょっとおかしな話です。原油などは生活や経済活動に必要なものなので、価格がある程度高くなっても諦めて買うしかありません。ブランド物のバッグやダイヤモンドのように我慢して買うのをやめる、というわけにはいかないのです。ところが株は我慢して買うのをやめることは可能です」

 その通りで、なんでライブドアの子会社の株を是が非でも買わないといけないのか、もう一つ需給関係の逼迫だけだと納得が行きません。

 そもそもなんでそんなに欲しくなるのでしょうか。グッチやヴィトンとも違って、持っている事自体がステイタスというわけでもなくて、それによって非常識なほど得しないと買う意味が無いはずです。

 小幡氏もこう言います。

「株式は、食料や原油など異なって、自分で使うものではなく、投資ですから、最終的には誰かに売ることによって利益を出すものです。株自体が欲しいのではなくて、株を買うことによって利益を出して、それによってクルマやマンションを買いたいのです。」

 ちょっと見えてきました。

 売るために買うという発想の転換ですね。

 このことに焦点を当てて読んでみると、もうちょい直感的な例が載っていましたので引用します。女子大のゼミでの実際に株式投資するゲームの例です。

「ところで先日、私から見ると、もったいないな、と思うことがありました。(中略)ライブドアの堀江社長(当時)が選挙に出たのを見て、堀江社長を応援したい人が増えて、その人達が株を買うと思うからライブドアを買った、と答えた素晴らしくマーケティング力のある学生は変わり者扱いをされていたのです。しかも、「彼女の投資は面白かったが、結局利益を上げることが出来なかった」とコメントされていました。まったく間違いです。」『ネット株の心理学』p222-223

 著者によれば、利益が出なかったのは彼女の戦略が悪いのではなくて、この教室でのゲームが長期保有するというルールになっていたから利益が出る瞬間に売りたくても売れなかった。つまり、長期投資信奉がはびこっていたために、マーケティング力のある取引が潰され、大きな損失が出たのだと述べています。

 ここにきて、なるほど〜(^0^)と思ってしまったわたしは少数派でしょうかね・・・。確かに言われて見れば、実際選挙報道の後株は上がったらしいので、この女子学生が正当に評価されていないと思うのですが・・・。

 目的が売るためということであれば、これはバッチリなんじゃないかなと思えてきたのです。

 暫定的にまとめるとこうなるのかな・・・

株は財産として保有するのではなくて、八百屋さんが売れそうな新鮮な野菜を市場で仕入れるがごとく買う。その際八百屋さんはお客さんに喜んでもらえるような良い野菜を買おうと努力をするけど、株式の場合はそんなことは無用で、良い会社かどうかよりもひたすら店に並べて新鮮なうちに売れるかどうかを優先する。 文責 ゆっきー

つまり、売るために買うわけだから当然、売れるものを買うに徹する。

ちょっと、一方的にまとめすぎでしょうか。

でも・・・まじめに株やっている人に怒られそうなのですが、そう思えてきてしまいました。人の影響を受け易いのかもしれません(笑)。

 たしかにお野菜としては無農薬で栄養満点で安心安全の超一流のものでも、どう考えても買い手が見つからなさそうなベリースペシャルワンダフルな野菜を、庶民的な商店街で店を開いている自分の八百屋に並べようとしてもそりゃおかしいよな・・・と思えてきました。

 多分旦那さんが得意顔で市場から帰ってきたら、売れなくてがっかりするより前に、奥さんがまっさきに怒り出しそうです。

 うん・・・だよなあ・・・。

株式は購入するというより、仕入れするものである?

そう考えるならば、書き始めた時よりはすっきりはしてくるけど・・・

また考えながら明日続きを書いてみようと思います。