小幡績『ネット株の心理学』MYCOM新書
ゼロサムゲーム思考こそが脱!ゲーム的株式市場を形成する???
それではゼロサムゲームを考えたいのですが、表題に掲げた命題が『ネット株の心理学』に説明されているのです。一体なんなのでしょうか。
ゼロサムゲームって奪いあいばっかりして結局成長的な要素を全部刈り取っちゃうんじゃなかったんでしょうか?
狩猟民族が市場を狩ってしまい、残った肉さえハゲタカファンドがさらっていく。後には何も残らない。これをなんとなく経済戦争におけるゼロサムゲームと考えていたのですが、それは違うのでしょうか???
「株式取引は、ゼロサムゲームの側面があることは否定できない事実です。誰かが余計に儲かれば、誰かが余計に損をしているのです。そうなれば、余計に儲けようとする投資家が現れるのは当然です。しかし、これはギャンブルではなく、実力勝負のゲームなのです」p259
な〜んだ。結局そういうことか・・・。
経済戦争なんだから綺麗事言ってないで開き直ってがんばろうというありがちな結論?
じゃないようで!
「投資家全員のレベルが同じように高ければ、ぼろ儲け出来る状態ではなくなるのです。この結果、極端なゲーム狙いの投資家、トレーダーは減少していくのです。逆説的ですが、すべての投資家が株式取引はゲームであることを認識することにより、初めて株式取引はゲームだけを目的としたものでなくなるのです」
ぼろ儲けがなくなることに寄与するゲーム的株式市場
経済学ではこの仕組みを
効率的市場仮説
と呼ぶようです。
次回本を変えて、この効率的市場仮説と、さらにこれを超える様々な経済学の諸説を検討してみたいと思います。行動ファイナンスという分野になるようです。
ということで、今回は尻切れトンボですが、しばらく取り上げたいとっても面白い本の表紙の写真を最後に掲載致します(^^)
真壁昭夫『最強のファイナンス理論』講談社現代新書