真壁昭夫『最強のファイナンス理論 』講談社現代新書
人間の面白い【癖】シリーズ!(*^o^)乂(^-^*)
「損切りは早めに、利食いはゆっくりと」でもなんで?
最初にクイズです!
まるこ商事
あなたはかなりの資産を持っている金持ち父さん投資家です。
悲しいことにあなたのポジションにある”まるこ商事”の株が値下がりしています。
さて、あなたはどちらを選択しますか
A:まるこ商事の株をすぐに売って損失の確定をする
B:まるこ商事の株を持ち続ければ再び勝つチャンスもあるのでそのまま持ち続ける
はなわ物産
あなたはかなりの資産を持っている金持ち父さん投資家です。
うれしいことにあなたのポジションにある”はなわ物産”の株が急騰しています。
さて、あなたはどちらを選択しますか。
A:はなわ物産の株をすぐに売って利益の確定をする
B:はなわ物産の株を持ち続ければさらに勝つチャンスもあるのでそのまま持ち続ける
真壁昭夫『最強のファイナンス理論 』
P143揺れる想いの人間心理-プロスペクト理論より改変
まるこ商事の株は負けを認めたくないので持ち続けてねばって、はなわ物産の株は利益が逃げて行かないように直ちに売る
ではないでしょうか。
おっと、ちがうって(^^)。
まあ、いいじゃないですか。その場合は、あなたのまわりではこういう人が多そうだということでとりあえずなっとくしてみてください。
人間の心理として、「認めたくない現実はまだ現実となっていない」というところにすがってしまうというのがあると思います。
飛行機事故などの不幸な事故をテレビで見たときに、自分の身内は大丈夫だろうと理屈なしに思いながらテレビを見たり、それらしき人がいたとしても、そうじゃないという前提で最後の最後まで情報収集するはずです。
先日山崎豊子の名作『沈まぬ太陽』のDVDを見てたのですが、事故にあった人がまだ捜索中にもかかわらず「遺族」「遺族」っていう行天四郎(三浦友和)に対して主人公恩地元(渡辺謙)が「遺族っていうのやめましょうよ」というシーンがありまして、とても印象的でした。
そうだ失礼だ!と思った方はすでに今日の主題の「損切りは早めに、利食いはゆっくりと」がすーっと納得!ではないでしょうか。
この理論はノーベル経済学賞を受賞したカーネマン教授が唱えたプロスペクト理論というものの例としてよく使われるもののようです。
「人は利益を早く確定したがる一方、損失は放置しがちになる」『最強のファイナンス理論 』P143
となるようです。
さきの飛行機事故の例は損失というと不謹慎極まりないので、人間にとって認めたくないことは最後まで希望を捨てずに頑張ると置き換えてください。
相場の格言にもこんなふうな裏付けが潜んでいるのですね(*^o^)乂(^-^*)
もし必勝法に応用するとすれば・・・
ちょっとの値下がりの時はまだみんな売らない傾向にあるから、悪いニュースでも瞬間湯沸かし器みたいには株価反応しない、でも、下がり始めると我先に売りに出るから株価も一気にさがるという、利益の確定する時よりも市場の変化に至るタイムラグが長くなりそうです。
なので、みんなが雪崩を打って「持ち続けようとしたけどやっぱりだめだあ」と思うまでの期間に思い切って売ってしまえば損は少ない。
反対に、株が上がり始めるとみんな売りたがるのだけど、売り注文が大量に出るのならば、株は高く売れません。本当にファンダメンタルズが会社の発表通りよい(粉飾してなければよいわけですけど)のであれば株価はじわじわあがるはずなので、もう少し持っておいて、売りが一段落してから(売りがだぶついて見かけ上企業価値が希薄化するのが落ち着いてから)売ったほうがいいということになるかな。
間違ってたら教えて下さい(^^;;;
探すとまだまだ面白い例があるので、お楽しみに!!