武田知弘『ヒトラーとケインズ』祥伝社新書

$ゆっきーのエッセイブログ

計画経済の世紀

表題に書きましたように、20世紀はある意味で、計画経済の世紀だと言えると思います。

その背後にはソビエト連邦の誕生ということだけでなく、経済活動そのものには大規模な国家レベルの計画性がどうしても必要なんじゃないかという、資本主義内部からの切実な要請があったと思います。

それはアメリカのニューディール政策然り、そして実はヒトラーの経済政策もしかりであったと思います。(あらためてナチスの正式名称が「国家社会主義ドイツ労働者党」であったことが思い起こされます)

コメントにて、「岸・経済企画庁構想はアメリカのケインズ理論」「ソ連の計画経済を取り入れた面ももちろん重要だったろうけど、やはりアメリカの影響が圧倒的だった」とのご指摘を受け少々そちら方面について書いてみたいと思います。
そこで、そのケインズ本人が大変評価したヒトラーの経済政策について書いてみます。

まずはそのおさらいから・・・


「ヒトラーが政権を取った1933年というのは、独は世界恐慌の影響をもろに受け、600万人以上が失業する(失業率34%)という、経済破綻状態に陥っていた。ヒトラーにとって最重要課題は、失業問題だった。政権発足から3日後、ヒトラーは経済4カ年計画を発表する。この計画の最大のテーマは、公共事業を増やし失業問題を解消するということだった」

「この公共投資政策こそ、ケインズ理論の要である「国による有効需要の創造」そのものだったのだ。ヒトラーというと、軍備を拡張することで失業を減らしたと思われることが多いが、それは正確ではない。ナチス政権の前半期に、国民のために支出(軍事費以外の支出)した費用は、ナチス政権前よりも著しく大きい。またGNP(国民総生産)に占める軍事費の割合も、1942年まではイギリスよりも低かったのである。ヒトラーは軍拡によって失業を減らしたのではなく、ケインズ理論そのままの公共投資を行うことで、失業を減らしたのである」

ケインズ有効需要理論というと、そのモデルケースとしてはアメリカのニューディール政策が挙げられることが多く、ヒトラーの政策については殆ど語られることがない。ナチスのユダヤ人迫害政策などの蛮行により、第二次世界大戦以後の世界ではナチスの存在は全否定に近い扱いを受けてきたので、ナチスの経済政策的成功も黙殺されてきたのである」

「しかし、ニューディール政策よりもヒトラーの政策のほうが、はるかに早く失業問題を克服している。ケインズ理論のモデルケースとしては、ニューディールよりヒトラーのほうが、適役だといえるのだ」

                       武田知弘『ヒトラーとケインズ』まえがき

 加えまして、ケインズ「大英帝国はナチスを見習うべき」とはっきり言っている。

 では、少々この方面を探索してみます!

広告を非表示にする