岩井克人『会社はこれからどうなるのか』平凡社ライブラリー
ヒト的な責任かモノ的な責任か分類してみよう
書籍の絵が、この間までの岩井克人『会社はこれからどうなるか』平凡社ライブラリーに変わってます。文章的には今回はこちらを使って、前回の責任の三分類を検討したいと思います。
ます、それぞれの責任を、これまでの岩井克人氏の用語でヒト的かモノ的かに分けてみます。
岩井克人のヒトとモノの定義は以下のようでした。
「ここでいうヒトとは、モノを所有する主体です。これにたいして、モノとは、ヒトによって所有される客体です」
『会社はこれからどうなるか』P69
ですので下記の分類になるかと思います。
ヒト的
主として会社の政治的責任、社会的責任、あるいは道徳的責任を問題とする場合に使われる
モノ的
会社の債務に対して株主が有限責任、すなわち出資分だけ責任を負う時などに使われる
モノ的
会社の株主に対して、経営者が財務内容などを知らせる責任があるというような場合に使われる
今ヒトの部分とモノの部分が混在しているわけで、これが議論の根本のところであります。
これをわかりやすくするために、『会社はこれからどうなるか』に紹介されている会社を完全にモノにする方法と、会社を完全にヒトにする方法でバッサリ二通りに作り替えてみます。
その時に今混在している責任はどうなるのかをわかりやすくするための思考実験というわけです。どちらの部分がどんな責任を負うのかがよりクリアに認識できるようになります。
なかなか面白い話でしたので、ご期待ください(^^)/
つづく