3クラウド、ライフログ親和性 その4【内部発ライフログ】は、偶然の幸運を見逃さない
さて今回は、「情報の大人買い」=「投資」=【内部発ライフログ】化の効用としてセレンディピティ(偶有性)の大切さについて考えてみたいと思います。
まずこの「セレンディピティ」という耳慣れない言葉ですが、ライフハックではよくでてくる言葉で「偶有性」というこれまた耳慣れない日本語訳がつけられています。ちょっとイメージがわかる部分を引用してみましょう。
IDEA HACKS! 今日スグ役立つ仕事のコツと習慣/東洋経済新報社
脳科学者の茂木健一郎さんは、日本の自然科学におけるノーベル賞受賞者四名のうち、少なくとも三名は受賞対象となった研究においてセレンデイピテイが重要な役割を果たしたといっています。【茂木健一郎「脳」整理法ちくま文庫】
白川英樹さんの「電導性プラスティック」の発見は、実験中に誤って資料を焦がしてしまったこと、田中耕一さんのタンパク質の質量分析法の開発では、試料を間違ってまぜてしまったことがきっかけだったようです。
ここで重要なのは、彼らが偶然に目を向け、そこに意味を見出した遊び心というか、心のゆとりでしょうか。
これはビッグなアイデアを導くうえで重要な構えだと思います。
(以上引用)
科学的思考とは、厳密な仮説検証が欠かせないでしょうが、ガチガチの必然性の探求じゃなくて、茂木さんの著書の例にあるような、偶然が幸運に作用するような性質(偶有性)が大切だということです。
- 仮説思考や目的達成の執念は重要ですが、あまりにそれに固執しすぎると、身動きがとりにくくなります。
むしろ、セレンディピティ(偶有性)を取り入れるホケットを持つことが、アイデアをジャンプアップさせる重要な鍵です。
『IDEA HACKS!』より
「情報の大人買い」=「投資」=【内部発ライフログ】は、この「セレンディピティ」を確保するのに欠かせません。
つまり、「大人買い」は、その著者の目的のコンテンツ、一冊の本以外の遊びの部分、すぐには役に立たないけど、きっと役に立つであろうという投資的な価値判断による偶有性の内部取り込み作業(=この取り込み作業がまさしく【内部発ライフログ】!)に他ならないのです。
いわば、別の可能性へと思考を常に柔軟に開放しておくという態度が【内部発ライフログ】によって可能になるわけです。
- セレンディピティという考え方は、そうした「うっかり無視してしまっている別の可能性」への対応を促してくれる、貴重なハックです。
リンクとハブという話でいくと、これは、見えないリンクに対応するための余裕でもあります。
アンテナを立てて、飛び込んでくるアイデアのリンクを待ちかまえるわけです。
こうした構えが必要になるのは、結局、未来が不確実性にあふれでいるからなのです。
誰も将来のことは予測できない部分がある。
ある程度の予報はできるとしても、正確な予測が難しいのは、ほんの些細なことが変わるだけで、未来が大きく変わってしまうからなのです。
『IDEA HACKS!』より
以上、今回は【内部発ライフログ】を「セレンディピティ」からみてみました。次回はこの【内部発ライフログ】の集団化=集合知のパワーについて考えてみたいと思います!
つづく(o^—^)ノ