岩井克人『会社はこれからどうなるのか』平凡社ライブラリー
”株主”ってどういう意味?そりゃあ、株の持ち主さ!
それでは、スーパーマーケットチェーンのオーナーという大富豪は、お腹が減った時自分のスーパーの食べ物を勝手に食べること能わず!っていうのはどういう理屈で論証されるのでしょうか。
「株主とは、まさに言葉の通り、株式の持ち主、すなわち株式の所有者に他ならない」
のです。
いいかえれば、株主は会社のトマトやインスタントラーメンを所有してはいないのです。製紙会社の社長が使ってもよい紙をたくさん所有しているわけではないのであります。
じゃあ、株主は何を持っているか、そりゃー株式を持っている・・・
端的に言ってそれは、会社をどう運営するかという「株主総会における議決権ということになります」『会社はこれからどうなるのか』p81。
話をわかりやすくするために、何が何でもオーナーが会社の食品に手をつけて良い状態にするためには、株主総会で臨時取締役会を招集して、役員会の決議として「食う困っている大株主は非常時において会社の食べ物を食べてもよい」という株主の権利を認める議決をして取締役会議事録にそれを残しておけば良いということになる(はず。間違ってたら教えて下さい(^^)/)
これは非常にスッキリですよね・・・
でもですよ・・・
じゃあ、スーパーマーケットの食材を所有している人はだれ?
それは・・・
「法人としての会社は、法律上のヒトとして、モノである会社の資産を所有している」岩井前掲書P81
ということになるようです。
ヒトとしての法人?
この法人は人間が作ったはず。でもその法人がヒトとして財産を有し、取締役会の決議に従って契約関係を対外的にヒトであるかのごとく結んでいく。
なんだこれは!!!
うーむ。
ではその人造人間の仕組をもうしばらく検討したいと思います!