岩井克人『会社はこれからどうなるのか』平凡社ライブラリー

会社は最初は、個人の商店であるような場合が多いと思います。もちろん、最初から大きな資本が準備され、いきなり資本金何十億という会社が大きな会社の関連会社として設立されるというケースもたくさんありますが、ライブドアは少なくとも東大時代に堀江貴…

相原博之『キャラ化するニッポン 』講談社現代新書

直球が続いたので、ちょっとカーブでも投げてみようと・・・宮内亮治元CFOが高校球児だったからというわけではないですが、変化をつけてみようかと・・・ 序章で著者は次のように書いています。「最近の若者達は、本来の自分の内面とは別の、表層的な「キャ…

宮内亮治『虚構 堀江と私とライブドア』講談社

ライブドアの新しいニュースですね。□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■ 「「ライブドア」の社名消滅 来年1月に「データホテル」に変更」 msn産経ニュース11/7 http://goo.gl/o4fne □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■ 韓国ポータルサイト最…

ホリエモン登場の背景3「最後の恩恵」か「つまずいた出発」か

ライブドア最高財務責任者の胸中 今回は、ライブドアが上場企業として登場したあたりに的を絞って背景を見てみようと思います。 元最高財務責任者の宮内亮治さんの著書『虚構 堀江と私とライブドア』講談社 が一番間近でそういう雰囲気を感じた人の肉声が溢…

ホリエモン登場の背景2〜完全無視する完全勝利は可能か?

源義経、ねずみ小僧、東条英機、総会屋、任侠の徒、小沢一郎、ルパン三世 (ーー) ・・・○○えもん?「敵対的買収という危機感のない経営者にバブルの戦後処理はできない!」 前回こう書きましたが、こうした正論は時に爆発的に受け入れられるときがあると思…

ホリエモン登場の背景1〜株の持ち合いによる澱み

バブルが崩壊して日本経済は焼け野原、そしてもっと悪いことには・・・ それでは、ITバブルの申し子ホリエモン登場前夜である(ITじゃない方の)「80年代バブル崩壊期」の時代背景などを中心に本書を読んでみます。「バブルの崩壊時期になると、大企業の様…

佐々木俊尚『ライブドア資本論』日本評論社

ホリエモンとは誰だったのか さて、本山美彦さんと野口悠紀雄さんの金融論を比較する前に、すこし具体的なイメージを補助線としてひいておきたいと思います。 ホリエモンさんでーす(^^)。 裁判も結審し、みそぎ中の堀江氏をめぐっては、これまで数えきれ…

本山美彦『格付け洗脳とアメリカ支配の終わり』ビジネス社

多少この面白い本の紹介ができたと思うので、また動画で一休み(^^)。テレビドラマと映画で有名になりました『ハゲタカ』の音楽に乗せてどうぞ!しかし・・・小説版の鷲津さんの大ファンであったゆっきーは映像版にどうも違和感感じるのですが・・・大森…

本山美彦『格付け洗脳とアメリカ支配の終わり』ビジネス社

それではゆっきーの格調低い男性論を中断して、格調高い経済学の方のお話に移ります(^^)。「金融博徒たちはリスクの悪質な誤用を意識的に行なっている。例えば、破産が確実な低所得の人に、目も眩むような高い利子で強引に金を貸し付け、貸付を受けた人…

本山美彦『格付け洗脳とアメリカ支配の終わり』ビジネス社

リスク・テイキングってカッコいいのかい? さて、世の中リスクテイクという言葉が、だれもやりたがらない難事を決然と男らしく黙ってしぶーく遂行するという本来の意味とは、まったく正反対の意味に間違って使われているよなあ・・・と思う人は私だけでしょ…

本山美彦『金融権力』岩波新書

もう一度1940年体制を考えてみる 野口悠紀雄さんの本で「1940年体制」をしばらく見てきましたが、小泉政権時代に行われた様々の金融改革はまさに、アメリカによる再度の1940年体制の打破っだのではないかな・・・と『金融権力』を読みながらそん…

本山美彦『金融権力』岩波新書

格付け会社に格付けしてもらわなくても・・・ さて、ラップで遊んで『金融権力』に戻ります(^^)。 格付け会社の権力性について考えようとしてたのですが、例えば企業情報を公開する義務のない会社、未上場の会社はそうした格付け圧力に直接さらされることは…

【楽しい寄り道】

ラップで経済論争 このシリーズでは背後の経済学の理論をとりあえずケインジアンとアンチケインジアンにしてますが、秀逸な副教材を見つけたのでご紹介いたします。 ズバリ! ラップで経済論争でしょーーーーー!(爆) 好評につき第二弾というのもあるよう…

本山美彦『金融権力』岩波新書

私の格付けってどのくらいだろ(ーー) 金融立国か製造立国かを仮にVSさせてみたのですが、皆さんのご意見はどっちかに偏ることは問題であるということでした。 考えてみれば両方必要なわけなので、VSにしたくなるほど対立が透けてみるという状態自体がおか…

金融権力を考える(@@)   〜書を捨てよ町へ出よう編

金融権力はやっぱり権力なんだ 金融権力という権力に対しては、権力に対する抗議の常套手段である”デモ”も盛んです。ウィキペディアに、「ウォール街を占拠せよの年表」というのがあるのですが、規模はすごいようです。 日本では過激な行動はないようですが…

本山美彦『金融権力』岩波新書

金儲けは悪いことである? それでは論点をさらに浮き彫りにしてみたいので本日は・・・ ズバリ 金儲けは悪いことであるのかどうかです。 一度はこのことを頭に浮かべたことがある人は殆どだと思うのですが、明確に悪だと言い切れないのが普通です。だって、…

野口悠紀雄『経済危機のルーツ ―モノづくりはグーグルとウォール街に負けたのか』東洋経済

勝手にVSにするゆっきー(笑) では、本山美彦さんの本も読み進めたいのだけど、少し前まで読んでいたこの本といっその事ディベートさせてみようかなと思いました。 野口悠紀雄さんは筋金入りの金融立国肯定論者なのでその方がわかりやすいかも。 引用して…

本山美彦『金融権力』岩波新書

さらに金融権力を考える もうすこし金融権力について考えてみたくなしましたので、この本を読み始めました。 著者は、金融権力、特に最近の米国の金融帝国主義的な経済活動を非常に批判的に見ている論客です。 その意味では、このシリーズの『経済危機のルー…

山岡淳一郎『成金炎上』日経BP社

小説ブログの方で「あ〜いま書けそうだから沢山書いとこ」状態になってまして、こっちが疎かになってました。あはは〜。アマチュアは気楽でいいな(^^) こっちで皆さんに見てもらうこと意識して調べ物したり、貴重な(ほんとに貴重な)コメントいただいた…

山岡淳一郎『成金炎上 昭和恐慌は警告する』日経BP社

政界、財界をリードする金子直吉 と 重大なアキレス腱 では池田成彬が主役なので池田視点になっている江上剛作品を離れて、公平を期すため、ちょっと別の本から時代と金子直吉を見てみましょう。 「金子直吉五十二歳、人生の頂点にさしかかっていた。 日本の…

江上剛『我、弁明せず』PHP文芸文庫

前時代的な経営者?金子直吉 再び三井銀行常務室から生中継です(^^)。「鈴木商店さんの商売のやり方を見ておりますと、ちょっと心配になってくるのです。どういう心配かと申しますと、何でもおやりになり、手を広げすぎのような気がするところです。金子…

江上剛『我、弁明せず』PHP文芸文庫

金子直吉という男『我、弁明せず』 第一章「昭和金融恐慌」は、ある商人の登場から始まります。「銀縁の丸眼鏡の奥から、直吉の大きな瞳が池田成彬をにらんでいる。いかにも如才ない様子で、瞳に表情があるかのようによく動く」 成田成彬は当時三井銀行の筆…

江上剛『我、弁明せず』PHP文芸文庫

高橋是清と対比してみたい人物 池田成彬 高橋是清と田中角栄の対比を進める前に、もう少し高橋是清を掘り下げてみようかと思いました。 昭和恐慌とその後の日本経済史の流れを考える上で、ケインズ型の経済政策とサプライサイドエコノミクスの市場主義経済政…

江上剛『我、弁明せず』PHP文芸文庫

高橋是清と対比してみたい人物 池田成彬 高橋是清と田中角栄の対比を進める前に、もう少し高橋是清を掘り下げてみようかと思いました。 昭和恐慌とその後の日本経済史の流れを考える上で、ケインズ型の経済政策とサプライサイドエコノミクスの市場主義経済政…

小林吉弥『高橋是清と田中角栄―日本を救った巨人の知恵 』知恵の森文庫

やはり歴史は繰り返す? この本がユニークなのは、書名にあるように時代がぜんぜん違う 田中角栄 と 高橋是清 を人物、時代の共通点で強引に切ってみせるところにあります。 そしてもう一つ、それらを平成の時代と同じ地平に乗せてくれるところも面白いです…

小林吉弥『高橋是清と田中角栄―日本を救った巨人の知恵 』知恵の森文庫

三島由紀夫論で自分の世界に突っ走り過ぎたので(爆)、本来の私家版昭和日本経済史に戻ります〜。 三島由紀夫が自決して数年で、田中角栄首相が誕生します。 この本は、人物として田中角栄と高橋是清がとても良く似てると指摘しています。そういえば、今太…

滅尽争という無理心中

三島由紀夫の「戯曲の誘惑」という小文にこんな一節がある。「学生時代、新関良三先生の本で、”滅尽争”(フェルニヒエル・カンプ)という言葉を知ったときに、この言葉は私を魅してやまなかった。破局(カタストローフ)という言葉と、この言葉の記憶は今日…

【文学逍遥】猪瀬直樹『ペルソナ三島由紀夫伝』文藝春秋

三人三様のニヒリストたち 原敬暗殺は実はあるルートから平岡定太郎の耳入っていた。親分にそれを伝えに行ったが、原敬は話しだけ聞いてあまり真剣にはとらなかったようである。 果たしてその定太郎の情報は的中した。原は帰らぬ人となって、原の子飼いだっ…

【文学逍遥】猪瀬直樹『ペルソナ三島由紀夫伝』文藝春秋

原敬が任命した祖父平岡定太郎樺太庁長官と長官以後 どんな歴史にもその歴史の主役と脇役がいる。 もちろん主役と脇役とはあくまでもある種の無責任な後世の史観によって分類されたものだ。ここでは、主役とは日本をグランドデザインしていった岸信介を官僚…

【文学逍遥】猪瀬直樹『ペルソナ三島由紀夫伝』文藝春秋

三島由紀夫の戦後 1940年体制を官僚支配、大蔵省による銀行統制を軸に考察するこのブログのシリーズで、避けて通れない人物が一人いる。嘘です(ーー)このあたりの交差点であたしの方から交通事故に遭いたい人物です。 日米安保闘争をめぐって、三島由紀夫V…